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【12月1日施行】公益通報者保護法改正の概要

2026/7/24 金曜日

[消費者庁]より「公表」された情報です

消費者庁は、2026年12月1日に施行される「改正公益通報者保護法」の概要資料を公開しました。
今回の法改正は、企業の不祥事防止体制の実効性を厳格に高めるものであり、通報者への報復行為に対する刑事罰の導入や、フリーランス(業務委託)への保護対象拡大などが盛り込まれています。
把握しておくべき改正のポイントと、求められる社内対応についてご案内します。

 

1 公益通報者保護法とは

勤め先の法令違反を認識した労働者等が、どこへどのような内容の通報を行えば、公益通報として、通報を理由とする解雇等の不利益な取扱いから保護されるかを明確化し、公益通報者の保護と国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図ることを目的とした法律。

2 公益通報とは

労働者・派遣労働者・退職者・役員・フリーランス等が不正の目的でなく勤務先や取引先における対象法律※1の刑事罰・過料の対象となる不正行為を通報すること

※1:

国民の生命、身体、財産等の保護に関する法令(約500本)が対象

3 公益通報者の保護の内容

公益通報を理由とする解雇その他不利益な取扱いの禁止(公益通報を理由として労働者を解雇・懲戒をした者及び法人に対する刑事罰(個人:6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、法人:3,000万円以下の罰金))

公益通報を理由とする事業者の損害賠償請求の制限

公益通報から1年以内の解雇・懲戒は公益通報を理由とするものと推定する(立証責任の転換)

4 通報先と保護の条件

事業者(内部通報(いわゆる1号通報))国・地方公共団体も含む
不正があると思料すること

行政機関(外部通報(いわゆる2号通報))
不正があると信ずるに足りる相当の理由があること(例:目撃した又は証拠がある場合)又は不正があると思料し、氏名等を記載した書面を提出すること

報道機関等(外部通報(いわゆる3号通報))
通報対象事実の発生・被害の拡大を防止するために必要であると認められる者
不正があると信ずるに足りる相当の理由があること及び次のような事由があること(例:内部通報では不利益な取扱いを受けると信ずる相当な理由、生命・身体への危害や財産に多額の損害が発生すると信ずる相当な理由 等)

通報先と保護の条件のイメージ
出典:消費者庁

5 事業者の体制整備義務

常時使用する労働者の数が300人超の事業者※2に対し、以下を義務付け

①内部通報の受付・調査等の業務を担う従事者(守秘義務あり)の指定

②内部通報窓口の設置や内部規程の策定等、公益通報に適切に対応するための体制整備、労働者等に対する周知 等

従事者に対し、内部通報者を特定させる情報の守秘を義務付け(違反したものには30万円以下の罰金)

※2:

事業者には国・地方公共団体を含む。300人以下の事業者は努力義務

6 消費者庁の行政措置

従事者指定義務違反のある事業者には、報告徴収・立入検査、助言・指導、勧告、勧告に従わない場合の命令、命令をした場合の公表

上記事業者の虚偽報告・報告懈怠、検査の拒否、命令違反には罰金

従事者指定義務以外の体制整備について、事業者に対する報告徴収、助言・指導・勧告、勧告に従わない場合の公表

7 その他禁止事項

事業者が、正当な理由なく公益通報を妨害する行為の禁止

事業者が、正当な理由なく公益通報者を探索する行為の禁止

 

公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和7年法律第62号)の概要

近年の事業者の公益通報への対応状況及び公益通報者の保護を巡る国内外の動向に鑑み、①事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上、②公益通報者の範囲拡大、③公益通報を阻害する要因への対処、④公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済を強化するための措置を講ずる

1 事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上

  • 従事者指定義務に違反する事業者(常時使用する労働者の数が300人超に限る)に対し、現行法の指導・助言、勧告権限に加え、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設する。【第15条の2、第21条、第23条関係】
  • 上記事業者に対する現行法の報告徴収権限に加え、立入検査権限を新設するとともに、報告懈怠・虚偽報告、検査拒否に対する刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設する。【第16条、第21条、第23条関係】
  • 現行法の体制整備義務の例示として、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示する。【第11条関係】

2 公益通報者の範囲拡大

  • 公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にあるフリーランス※1及び業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスを追加し、公益通報を理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止する。【第2条、第5条関係】

※1:

フリーランスの定義は、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」第2条を引用して規定。

3 公益通報を阻害する要因への対処

  • 事業者が、労働者等に対し、正当な理由がなく、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等によって公益通報を妨げる行為をすることを禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とする。【第11条の2関係】
  • 事業者が、正当な理由なく、公益通報者を特定することを目的とする行為をすることを禁止する。【第11条の3関係】

4 公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化

  • 通報後1年以内※2解雇又は懲戒公益通報を理由としてされたものと推定する(民事訴訟上の立証責任転換)。【第3条関係】

    ※2:

    事業者が外部通報があったことを知って解雇又は懲戒をした場合は、事業者が知った日から1年以内。

  • 公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、両罰)を新設する。
    法人に対する法定刑を3,000万円以下の罰金とする。【第21条、第23条関係】
  • 公益通報を理由とする一般職の国家公務員等に対する不利益な取扱いを禁止し、これに違反して分限免職又は懲戒処分をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)を新設する。【第9条、第21条、第23条関係】
  • この法律は公布の日から1年6月以内で政令で定める日から施行する。【附則第1条関係】

令和7年改正に伴う法定指針(内閣府告示)改正内容(概要)

公益通報者保護法に基づき、事業者による適切かつ有効な公益通報対応の実施を図るため、事業者がとるべき措置について「指針」として規定(令和4年6月1日から適用)。

令和7年改正法に盛り込まれた①公益通報対応体制整備の徹底、②公益通報者の範囲拡大、③公益通報阻害要因への対処、④公益通報を理由とした不利益な取扱いの抑止等に対応して、それぞれ法定指針における関連規定の追加・明確化を行った。

法改正事項/法定指針反映事項
出典:消費者庁